StructionSite導入事例
株式会社ジュントス様
橋梁の劣化・損傷を、より効率的かつ正確に把握
ミスのない調査や報告で、交通インフラの安全を支える
社会にとって重要な交通インフラを維持・管理していくためには、経年劣化や損傷の正確な調査と、的確な修繕が行われる必要がある。
橋梁における、この詳細な調査業務で評価されているのが株式会社ジュントスだ。しかし、調査・報告の際に課題となっていたのが、損傷している箇所の把握と管理にかかる手間。StructionSiteの導入により、作業効率や情報精度の向上を実現した。

株式会社ジュントス
本社:〒812-0012 福岡県福岡市博多区博多駅中央街7-2
設立:1991年7月
従業員数:49名(2022年10月)
事業内容:
〈橋梁事業 全般〉
・ コンクリート橋梁 新設の計画、設計業務
(構造計算、各種解析など)
・ 既設橋梁のメンテナンス業務(点検、調査、各種試験、補修補強設計など)
・ コンクリート上部工の新設/メンテナンス工事(施工管理、PC工、足場工、型枠工、鉄筋工など)

橋梁事業部 技術・メンテナンス部 池田 聖治 様
- お客様の課題
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- 損傷部を撮影しても、橋梁のどこを撮ったものか、後で写真だけ見ても判断しにくい。
- そのため図面に撮影した位置を記入しておくものの、手間がかかり、記入ミスが起きることも。
- 記入ミスがあると、何十枚もの写真をつなぎ見て推理するため、膨大な時間がかかる。手戻りも。
- 導入後の効果
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- 撮影した360度写真が瞬時に図面と紐づくため、橋梁のどの位置か一目瞭然。
- 損傷位置を図面に手で記入する手間や、位置を間違って記入してしまうミスが削減。
- 位置を推理する時間や、現場を再調査・撮影する作業の手戻りもなくなった。
【目次】
導入の背景
橋梁の安全のためには、劣化・損傷の正しい調査が不可欠

株式会社ジュントスでは、設計や工事から維持・管理まで、コンクリート橋梁のライフサイクル全般に携わっていて、計算・調査・解析などの専門技術者に加えて、各種の現場職人も社内に揃っているのが強みだ。
以前より生産/プロジェクト管理・改善を目的とするTOC理論を採り入れるなど、働き方やマネジメントへの高い意識を持つ同社では、2024年4月から適用される建設業の労働時間の上限規制も見据え、業務のさらなる効率化に取り組まれている。もちろんDX化にも前向きであり、今回のStructionSite導入にもつながっている。効率化を実現されたポイントをお聞きした。
損傷部の写真を後から見ても、橋梁のどの位置か分かりにくい
池田様:橋梁は5年ごとの定期点検が義務付けられており、問題が見つかると詳細点検が行われ、損傷箇所が修繕されます。当社ではこの詳細点検の受注が多く、事前の踏査と詳細な調査を実施し、調査内容を社内で照査した上で、クライアントへの報告書を作成しています。
調査や照査の際に重要なことの一つが、損傷位置の正確な認識です。現場で損傷へチョーキングして写真に撮った箇所を、会社へ戻ってからCADに清書(記録)し、報告書へまとめます。このとき、各写真が橋梁のどの位置を撮ったものなのか、後から誰が見ても認識できないといけません。しかし、部分的に撮影した写真だけを見ても、それが橋梁のどの位置にあるものかは分かりません。このため写真とは別に、撮影した位置を図面に書き込んでいましたが、記入ミスは起き得ます。また、そもそも必要な部分がしっかり写真に収まっていないこともあり、そのような場合は、もう一度現場へ行って損傷箇所の再確認と再撮影をしていました。もちろん、効率的な業務とは言えませんでした。
導入の効果
チョーキングした位置が、すぐに分かる。費用対効果もアリ!

池田様:撮影した画像が橋梁のどの部分にあるのかを分かりやすくするため、数年前に、撮影した画像を図面データへ自動的に落とし込むソフトウェアの導入を検討し、体験利用してみました。落とし込む機能自体に問題はなかったのですが、当時はタブレット端末がそれほどハイスペックではなかったため読み込みが遅く、図面データへタッチペンで描画する操作もスムーズにできなかったことから、導入を見送りました。
ただその後、部分的にではなく、損傷箇所の周辺をまとめて撮影できる360度カメラを導入し、これにより必要な部分の撮影漏れはなくなりました。しかし、どの写真が橋梁のどの位置を撮ったものかは引き続き判らず、撮影した位置を図面に書き込む作業は残ったままでした。その手間に悩んでいたある日、StructionSiteをご紹介いただきました。
導入を検討するにあたり、トライアルを利用させていただきました。「図面管理や情報操作のやり方、利用している360度カメラとの連動性、VideoWalk機能の使い勝手」などを確認。何より、撮影した本人以外のスタッフが、現場に行くことなく橋梁の状態や損傷位置をスムーズに理解できることを確認しました。また、他社サービスは撮影した写真の枚数や利用するユーザー数によって費用も異なりますが、StructionSiteはデータ容量もユーザー数も無制限である点は大きなポイントでした。
こうして、報告書の精度向上や遅延対策に有効であり、導入コストに照らして十分な費用対効果を見込めると判断し、導入を決定しました。悪天候による業務遅延に応じ、トライアル期間を延長してくださったことにも感謝しています。
■導入時にご用意いただくもの
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StructionSite
のアカウント -
PC/タブレット
スマートフォン -
360度カメラ
Insta360 ONE X2
一日仕事が1時間程度に。記録の誤りにも、すぐに気づける

池田様:現在、タブレット端末4台と360度カメラ3台を導入し、他にも各社員が会社から貸与されているスマートフォンで、StructionSiteを利用しています。スケッチを伴わない撮影中心の作業ならスマートフォンで十分です。むしろ、フラッシュ撮影や狭所へ入り込んで撮影できる利点があります。
以前は何十枚もの写真を見て、その損傷が橋梁のどの位置にあるのかを推理するという作業だけで半日~1日、ときには2~3日もかかっていました。それが現在は、StructionSiteによって1時間程度で終わるようになりました。損傷箇所の周辺全体がまとめて写真に収まっているため情報の撮りこぼしがなく、図面上に位置が記録されているので、後から損傷位置を確認するのがよりスムーズで正確です。損傷位置を把握することにおいては、手書きでスケッチをとる作業も不要になりつつあります。また、写真は嘘をつかないため、スケッチの間違いもStructionSiteですぐに気づけるようになりました。調査内容のCAD化作業も、以前に比べて半分くらいの手間になったのではないでしょうか。
情報共有もスムーズ。StructionSiteがないと仕事にならない

池田様:ほかにも、StructionSiteなら情報共有もスムーズです。情報共有をしたい相手がStructionSiteのアカウントを保有しているかどうかにかかわらず、必要なポイントの情報を「シェア」したり、特定のスタッフにだけ「通知」したりできます。また、StructionSiteのアカウントを持たない協力業者などへ問い合わせをするときでも、StructionSite上の図面をPDF化し、送信することができるため、言葉では上手く伝えられない情報を視覚的に説明できます。
導入後のサポートサービスは、株式会社日立ソリューションズに対応いただいており助かっています。今後の利用方法についてもご相談していますし、私たちの意見にも耳を傾けてくださっています。
このように、損傷箇所やチョーキング位置の把握をラクに、そしてより正確にするStructionSiteは、当社では今や欠かせない存在となりました。「これがないと仕事ができない」というほど重要なツールになっています。ほぼ全ての現場で週に2日くらい、そして社内においては毎日使用しています。CAD化の担当者も「もうStructionSiteしか見ていません」と言っているほどです。